ブランク明けのアーチェリー

 

今回は、ブランクが空いた後の練習、などについて書いてみようと思う。アーチェリーをやっている上で、練習ができなくなる時期が何らかの形で訪れることがあると思う。例えば、射場の工事、管理の関係で一時的に使用ができなくなるような物理的な要因、または怪我や、健康上の問題からくる要因などである。ただ、怠けて何週間も練習しなかった場合は、そのことを悔い改め、少しでも努力するよう心掛けたい。

 

1.練習ができない期間にするべきこと

 普段からシャドーや、筋肉トレーニングをさかんにおこなっているヒトは、練習ができない期間にも同じ事を続けることをおすすめする。ただ、普段はあまりやっていない人間がシャドーなどをやろうとすると変な意識ができたりしかねないので、あまりおすすめできない。こういったタイプの人は、むしろ何にもせず、たまには他の事に目を向けるのもよいと思う。ただ、数ヶ月練習できない場合は、素引きを一週間くらいしてから、練習場に足を運ぶほうがよいと思う。引き方を完全に忘れた状態で練習場にいくのは、安全面からも危険であり、控えてほしい。素引きを一週間くらいするだけで十分引き方はわかるようになるはずだ。それでも思い出せない場合はゴム引きなどからスタートしたほうがよいかもしれない。

 

2.ブランクが空いてからの練習

 まずは近射からはじめよう。(ブランクが短い場合(二ヶ月以内)だったら下手に素引きをしないほうがいいかもしれない。素引きのデメリットとしては、引いた後にうてないことである。何回も引き戻す作業をおこなっているうちに引き肩を壊したり、伸びる意識を忘れやすくなる。それよりはむしろいきなりうちはじめたほうが、感覚は戻りやすいはずだ。)素直に引いてうつ。ひたすらうつ。

だんだんリリースがうまくなってきたら、距離に出てもよい。ここでまた注意としては、普段あんまり近射しない人間がブランク明けに近射をしまくって変な感覚がついてしまうことである。もっとも普段から近射はたくさんおこなうべきなので、ブランクをいいきっかけとして近射をたくさんおこなうようになるのもよいかもしれない。距離に出て違和感を感じたらすぐに無理せずに近射に戻る、または、その日の練習を終わりにしておこう。無理をすると、事故、怪我につながりかねない。

 

3.意識の変化

ブランクは、ある意味、利用することができる。ブランク明けに弓をひいたとき、意識することはなんであろうか。体力がないので必死に、引いて、押すということしか考えない。そんな状況では、リリースなど細かい動きなど気にする余裕もなくなるのである。これがある意味では、不必要な意識を取り去ることにつながる。ただ、押して引く。これだけを目指して練習しているうちにある意味理想的な射型ができてくるはずだ。ビギナーズラックと同じように、ブランク明け直後には、この意識の変化からいい点がでる時期がある。ひたすら楽しい。このときは十分楽しんでほしい。

問題は、この後である。体力もついてだんだん点数に欲が出てくる。また、射型を一定にしないと、とあせり始める。(そんなことしなくてもあたっているのに…。)これがスランプを生む。筆者としては、ブランク明けの体力のなさから来る点数の降下よりも、このスランプによる点数の降下のほうが問題であると思う。要は、わからないことをわかろうとしないほうがよいのである。どうやったら射型が一定になるか。そんなことは考えたところで、射型に調子よく現れるとは限らないし、この議論にはある程度本人の経験がいる。体力がつき、何回もうっているなかで身につければよいではないか。あせらず今までやっていたとおり、楽しんでいればよいのである。どうやってたっけ?と悩むこともいけない。せっかく癖がなくなるチャンスなのかもしれないのだから、ブランク明けのアーチェリーは、自然に任せてみよう。

2004/01/05初版、2009/02/05改訂)